死亡届の入手方法や提出先を知ってますか?書き方と届出の仕方を確認しましょう
- 2017/03/30
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2020年11月9日更新
目次
死亡届とは?
家族や身内の方が亡くなった際、必ず市区町村役場へ提出しなければならないのが死亡届(しぼうとどけ)です。
死亡届とは、人が亡くなったことを法的に証明する書類のことで、戸籍法(戸籍法第86条、第87条)の規定に基づいて行う届け出や書類そのもののことを指します。
正式には死亡届書(しぼうとどけしょ)という名称で、この届けが受理されることによって戸籍や住民票(住民基本台帳)に死亡の事実が反映されます。

死亡届により戸籍に死亡の記載がされ住民票が消除されます。
死亡届と死亡診断書(死体検案書)は同じ1枚の用紙
死亡届は、死亡診断書(または死体検案書)と一体のA3用紙となっており、左半分が「死亡届」で右半分が「死亡診断書(または死体検案書)」という様式になっています。
右半分の死亡診断書(または死体検案書)は、死因や死亡時刻などを臨終に立ち会ったり死亡を確認した医師などが記入して作成しますが、左半分の死亡届には、故人の氏名や生年月日、死亡場所や日時、本籍や配偶者情報などの必要事項を届出人が書き込み、署名と押印をします。
死亡届は病院に用意されており、死亡を確認する医師や葬儀会社の担当者が準備をしてくれるのが一般的です。
市区町村役場の窓口やインターネットのホームページから死亡届の用紙を入手できますが、ほとんどの場合、自分で用紙を用意する必要はないでしょう。
死亡届は、生命保険金の請求やその他相続にまつわる手続きなど、さまざまなシーンで提出を求められることが多い書類です。
各手続きがスムーズに進められるように複数枚コピーを取っておいたり、原本が必要な場合に備えてあらかじめ何枚か多めに取得しておくのも良いでしょう。
死亡届は「誰」が「どこ」へ「いつまで」に提出するのか
家族や親族が亡くなったことを法的に証明するための死亡届は、その後の相続手続きを進めるためにも非常に重要な書類であり、届け出でもあります。
この死亡届は「資格のある方」が「期限内」に「所定の場所」へ提出する義務がありますが、具体的には「誰」が「いつまで」に「どこ」へ届け出れば良いのでしょうか。
届出人や提出先、提出期限など死亡届のルールについてこちらで詳しく見ていきましょう。
死亡届の届出人と提出する人
死亡の届け出は、誰でも出来るわけではありません。
法律で定められた順序に従い、亡くなった方と一定の関係がある方が届出を行う義務がある者として「届出人(届出義務者)」となり、死亡届に必要事項を記入して署名や押印を行います。
届出人(届出義務者)になる方と順序(戸籍法87条1項) |
第1、同居の親族 第2、その他の同居者(同居の親族以外) 第3、家主、地主または家屋もしくは土地の管理人 |
法律上、第1から第3に該当する方は、決められた期限内に亡くなった方の死亡の届出を行わなければならないという義務付けがなされます。
1から3の順序は、あくまでも届出人としての義務を負担する順序として決められたものですので、届出義務がある第2、第3の方が順位に関係なく先立って届け出ても構わないということになっています。
また、第1から第3までの届出義務者以外にも、同居していない親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人に該当する方は、届出義務はありませんが「届出人(届出資格者)」として死亡の届出をすることが認められています。(戸籍法87条2項)
ちなみに、死亡届を提出先の窓口に持参(提出)する方については、必ず届出人(届出義務者・届出資格者)でなければいけないというわけではありません。
死亡届の記入や署名、押印については届出人(届出義務者・届出資格者)が行いますが、実際に提出先の窓口に持参して提出する方は葬儀社などの代理人でも問題ないということです。
死亡届の提出先
死亡届を提出する(届け出る)場所は、亡くなった方の死亡地、または本籍地や届出をする方の所在地に該当する市役所、区役所、町村役場にある戸籍課(戸籍係)です。
- 死亡地(戸籍法88条)
- 死亡者の本籍地(戸籍法25条1項)
- 届出人の住所地(戸籍法25条1項)
ここで注意したいのは、亡くなった方の住所地にある市役所、区役所、町村役場は該当しないという点です。
死亡の届け出を、本来行う場所と異なる窓口に出向いてしまうと正式な届け出の受理までに時間がかかってしまうだけでなく、その後の相続手続きなどにも影響してしまう可能性がありますので注意しましょう。
死亡届は通常、火葬許可申請書と一緒に提出します。
死亡届の提出期限
死亡届の提出期限は、戸籍法86条1項にて届出人(届出義務者)が死亡の事実を知った日から原則7日以内(7日目が休日の場合は、その翌日まで)とされています。
もし、国外で亡くなられた場合であれば、届出人(届出義務者)は死亡の事実を知った日から3ヵ月以内に提出しなければなりません。
海外で亡くなられた場合には、当事者や届出人がたとえ海外にいたとしても日本の戸籍法に基づいた届出が義務付けられているので注意しましょう。
なお、届出の受付時間は市区町村によってそれぞれ異なります。
死亡届の受付は、基本的に通常時間外とされる土日祝日や夜間なども行っていますが、出張所によっては時間外不可という場合もありますので、事前に問い合わせておくと安心です。
しかし、受付時間外は火葬埋葬許可証は発行してもらうことができませんので、再度足を運ぶ手間を考えると死亡届の提出は受付時間内に行く方が無難と言えるでしょう。

死亡届は「届出人」が「7日以内」に「戸籍課」へ届け出る
死亡を届け出ないとどうなる?
同居していた親の死亡を届け出ず、遺族が親の年金を不正に受給していたというようなニュースを時折耳にすることはありませんか?
このように、亡くなられた方の死亡を届け出る義務がある届出人(届出義務者)が、正当な理由なく定められた期限内に死亡の届出や申請をしなかった場合には、戸籍法に基づいて5万円以下の過料支払いが命じられることになります。
故意に届け出ないのはもちろん論外ですが、「うっかり忘れていた!」では済まされませんので、届出人(届出義務者)は、死亡届の提出期限である死亡の事実を知った日から事実を知った日を含めて7日以内の可能な限り早いうちに届出を行うようにしましょう。
ただし、これは死亡を届け出る義務がある方に対する規定となっていますので、届出義務者に該当しない方、たとえば同居していない親族などが届出期間を過ぎてから死亡届を提出したとしても罰則は科せられません。
とは言え、死亡届の提出を怠ると火葬や埋葬、相続など重要な手続きが滞ってしまいますので、法的責任に関係なく亡くなった方の死亡が届けられていないと知った際には、すみやかに警察や自治体に相談するようにしましょう。

戸籍法の屈出義務違反として5万円以下の過料が課せられます
死亡届の提出時に必要な書類
死亡届を提出する際に必要な書類もあわせて確認しておきましょう。
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死亡届に必要な「死亡診断書、または死体検案書」は、死亡届と一体の用紙になっているため、通常は必然的に「死亡届書」と一緒に提出することになります。
もしも、大規模災害などやむを得ない事由によって死亡診断書(死体検案書)の準備ができないという場合には、他に死亡の事実を証明できる書面(資料)の提出や死亡届に得られない理由の記載など添付書類を求められることがありますので、まずは提出先となる市区町村役場に問い合わせて必要なものを準備しましょう。
届出人が後見人、保佐人、補助人、任意後見人の場合には、亡くなった方との法的関係を証明するための書類として「後見登記事項証明書、もしくは裁判所の審判書謄本と確定証明書」の添付が必要となります。
また、死亡届の欄外に捨印や役所によっては届け出人の割り印をする場合もありますので、死亡届の押印に使用した届出人の印鑑も用意しておきましょう。
死亡届の押印は、実印を使用する必要はありません(認印で良い)ので印鑑登録証明書は不要です。

提出時の必要書類は死亡届を出す前に確認を!
死亡に伴う各種手続きについて
死亡届の提出と同様に必要な死亡に伴う手続きはほかにもあります。
ほとんどの手続きには決められた期限があり、必要書類や窓口も異なりますので、該当条件などを確認した上で手続きが必要な方はすみやかに申告・届出・請求・返却などを行うようにしましょう。
※これらはすべての方に必要な手続きというわけではありません。
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最後に
人が亡くなられたときの届出として義務付けられているのが死亡届です。
死亡を法的に証明する書類として、相続手続きなどさまざまなシーンで提出を求められる重要な書類のひとつでもあるため、届出が受理されていなければさまざまな弊害が生じてしまいます。
大切な家族や親族を失ったばかりで辛く、通夜や葬儀などの手配で慌ただしく戸惑うことが多いときではありますが、亡くなった方のご遺体を火葬するために必要な「火葬許可証」や、遺族年金などを請求する時に必要な「死亡届の記載事項証明書(死亡届の写し)」を交付してもらうためにも、すみやかに届出を済ませておくことが大切です。
万が一、死亡の届出が遅れてしまうと、死亡を届け出る義務がある方に対して義務違反の罰則として過料が科されることになります。
書類の不備・不足による遅滞を防ぐためにも、届出人は死亡届とその他の必要書類をしっかり確認し、定められた期限内に市区町村役場に死亡を届け出ましょう。

死亡届の原本は何かの時に備えてコピーしておくと安心です
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